Wednesday, June 6, 2007

冒険の風

きょう、ちょっとうれしいことがあった。若き冒険家=写真家の石川直樹さんが、研究室に立ち寄ってくれたのだ。北極から南極へ、全大陸の最高峰へ、ポリネシアから日本列島へ、海、山、空につねに直面する彼だが、写真作品もいまや独自の境地に達している。

この春にあった写真展「Polar」のことは、現在発売中の「風の旅人」の連載エッセーに書いた。昨年の、ニュージーランドのマオリの人々の聖地を撮影した写真集「Void」は本当にすばらしかったが、今年はさらにまったく新しい写真集を構想しているもよう。人が七回生まれ変わってもできないような旅を重ねている彼は、まだ今年でやっと三十歳。これからも前人未到の、肉体と想像力、言葉とイメージの冒険を重ねてくれることだろう。

いつか明治に教えにきてほしいものだと思っている。

石川さんの飄々とした、威圧感やその場との違和感のまったくない人柄を知るためには、数年前のものだが「ホットワイアード」のインタビューが役に立つだろう。

http://hotwired.goo.ne.jp/ecowire/interview/010821/

その中で彼は、明治大学生田キャンパスが生んだ植村直己さんのことを「最後の冒険家」と呼んでいる。その自覚に、また衝撃を覚える。

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